iOS WebClip の歴史を徹底解説|ホーム画面アイコン機能はどのように進化してきたのか?

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iOS WebClip の歴史を徹底解説|ホーム画面アイコン機能はどのように進化してきたのか?

最終更新:2026/02/02

いまでは当たり前になった「ホーム画面に Web サイトを追加する」機能。
しかし、これは iOS の登場と同時に存在していたわけではありません。

iPhone が最初に搭載した WebClip は、とてもシンプルなものでした。
そこから 15年以上のアップデートを経て、現在の「影キャッシュ」問題につながる仕組みへと進化してきます。

この記事では、
・WebClip がどのように生まれ
・どのように機能が増え
・なぜ影キャッシュが生まれたのか

を、歴史的にわかりやすく解説します。


2007年:iPhone OS 1(初代 iPhone)にはまだ WebClip がなかった

初代 iPhone(iPhone OS 1.0)には、
ホーム画面に Web を追加する機能は存在しませんでした。

Safari でブックマークを保存するだけで、ショートカットアイコンという概念はなかったのです。

しかし、この後すぐに大きな変化が訪れます。


2008年:iPhone OS 1.1.3 で WebClip が初登場

「ホーム画面に追加(Add to Home Screen)」
この革命的な機能が登場したのは 2008年。

当時のWebClipの特徴は次の通りです。

  • サイトのスクリーンショットがそのままアイコンになる
  • アプリアイコンと同じ位置に並べられる
  • タップで Safari が起動する(もちろん Web アプリではない)

まだ apple-touch-icon の概念がなく、
アイコンは完全に自動生成されていました。

つまりこの時点では、影キャッシュ問題は発生していません。
キャッシュするべき専用アイコンが存在しなかったためです。


2008年:iPhone OS 2.0 — apple-touch-icon の誕生

App Store の開始と同じタイミングで、
初代 apple-touch-icon.png が導入されました。

  • サイト側がアイコン画像を指定できるようになった
  • WebClip が “アプリっぽく” 近づいた瞬間
  • ここから iOS はアイコン画像を 専用キャッシュとして保存する仕組みを導入

この「専用保存領域」こそ、後の影キャッシュのルーツになります。


2010〜2012:Retina 対応とアイコンサイズの爆発

iPhone 4(Retina)登場により、
アイコン画像の種類が増え始めます。

  • 57×57 → 114×114(Retina用)
  • 72×72(iPad)
  • 144×144(Retina iPad)

これにより、
「画像サイズごとに別キャッシュ」
が存在する状態に変化。

そしてついに、
「古いサイズのキャッシュが残り続ける」という現象 が発生し始めます。


2013:iOS 7 のデザイン大刷新と自動角丸処理の強化

iOS 7 ではアイコンがフラット化され、
Safari も WebClip の角丸や影の処理を内部で自動調整するようになりました。

この頃から iOS の内部処理は次のようになります。

  • アイコン画像を読み込む
  • 内部で角丸+影付きのPNGへ再生成
  • 再生成後の画像を「影キャッシュ」として保存

つまり、
「もはやサーバー上のそのままの画像は使われていない」
という構造になったわけです。


2015〜2020:PWA(Webアプリ化)との合流で複雑化

Safari が PWA(Progressive Web Apps)に対応し始めたことで、
WebClip と Web App Manifest の境界が曖昧に。
ここで仕様が一気に複雑になります。

  • manifest.json の icons が採用されるケース
  • apple-touch-icon が優先されるケース
  • Safari が状況に応じて自動で選び直すケース

この曖昧さが、
「新しいアイコンが反映されない」
というユーザー体験をさらに悪化させていきます。


2020〜2024:影キャッシュ問題が顕著に

iOS 14〜17 にかけて、影キャッシュの“しつこさ”が強化されました。

要因は次の通り:

  • セキュリティ強化によりアイコンを頻繁に書き換えない仕様へ
  • WebClip を「アプリ扱い」する方針が強化
  • ユーザー意図しない見た目の変化を防ぐための設計

こうして
「URLが同じなら必ず古いアイコンが使われる」
という現在の影キャッシュ仕様が確立しました。


2026年現在:影キャッシュは iOS の根幹仕様になっている

2026年時点で、影キャッシュは
Safari の正式仕様の一部 として振る舞っています。

特徴をまとめると:

  • 通常のキャッシュ削除では消えない
  • 画像URLが変わらない限り永久に残る
  • WebClip 単位で独立したキャッシュ領域を持つ
  • UI保護のため意図的に更新を抑制している

つまり影キャッシュは「バグ」ではなく、
意図的に組み込まれた挙動 ということです。


影キャッシュ誕生の“根本理由”

結論、影キャッシュが存在する理由は次の2つに集約されます。

① iPhone が WebClip を “アプリ扱い” している

アプリアイコンが勝手に変わったら混乱します。
そのため、WebClip のアイコンも極力変わらない設計になっています。

② セキュリティ上、書き換え可能な画像を頻繁に読み直すのは危険

第三者がアイコン画像を書き換えてフィッシングを誘導する可能性があるため、
iOS は同じURLの画像を再取得しない方針を採用しています。


まとめ:WebClip は15年以上進化し続けた“特殊な存在”

  • 2008年に誕生して以来、アプリとWebの境界に位置する存在
  • apple-touch-icon 登場で影キャッシュの仕組みが発生
  • Retina・PWA対応で仕様はさらに複雑化
  • 現在の影キャッシュは、実は「意図的に強化された仕様」

影キャッシュ問題は煩わしいものの、
その背景には iOS のセキュリティ・UI哲学が深く関係しています。

仕組みを理解すれば、WebClip の挙動は “読み解ける仕様” になります。

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