Cookie同意バナーの本当の理由|GDPR・トラッキング・規制をわかりやすく解説

Cookie同意バナーの本当の理由|GDPR・トラッキング・規制の裏側を解説

最終更新:2026/02/07

最近ほぼすべてのサイトに表示されるようになった
「Cookieを許可しますか?」 という同意バナー。

初心者向けには「法律が変わったから」とよく説明されますが、
実際にはもっと複雑で、Web技術とプライバシー規制の両方の変化が絡んでいます。

この記事では、Web制作の経験が少しある人向けに、
Cookie同意バナーが必要になった本当の理由 を技術的視点でわかりやすく解説します。


1. Cookie は「2種類」あることが重要

Cookie問題の本質は、Cookie自体ではなく、
どの種類のCookieを誰が使うか
にあります。

① ファーストパーティ Cookie

  • 現在開いているサイト自身が発行するCookie
  • ログイン・設定・カートなど「サイトの基本機能」に必要
  • GDPR でも「同意不要」扱い

② サードパーティ Cookie

  • 外部サービス(広告・解析)が発行するCookie
  • ユーザーを他サイトでも追跡できる
  • GDPR では「同意必須」

つまり、同意バナーの目的は
サードパーティCookieの使用を許可するかどうか確認すること です。


2. GDPR が求めるのは「説明と選択肢」

2018年の GDPR で義務化されたのは以下の2つ。

  • ① 何のためにCookieを使うのか説明すること
  • ② ユーザーが許可/拒否を選べるようにすること

特に「広告目的」「解析目的」(=サードパーティCookie)は、
事前に明確な同意が必要 です。

この法律って実はヨーロッパだけの話なのに、
サイトは世界中のユーザーにアクセスされるため、
結果として「全世界がGDPR準拠」になりました。


3. ePrivacy(クッキー法)がさらに細かいルールを追加した

GDPRと同時期にもう1つ重要な法律が施行されています:
ePrivacy Directive(クッキー法)

これが「Cookieの保存には同意が必要」という土台を作りました。
GDPRでは「データ保護」。
ePrivacyでは「Cookieの扱い」がメイン対象です。


4. トラッキング技術が急速に発展しすぎた

Cookie同意バナーが増えた背景には、広告業界の問題もあります。

  • リターゲティング広告
  • クロスサイトトラッキング
  • ユーザーごとの興味データの集約

これらの技術は便利でしたが、
ユーザーからすると「知らないうちに追跡されている」状態でした。

法律が動いたのは、この透明性の欠如が大きな理由です。


5. Safari の ITP(Intelligent Tracking Prevention)の影響

Safari は特にプライバシー保護が強いブラウザで、
ITP(Intelligent Tracking Prevention) を導入しています。

ITPの主な効果

  • サードパーティCookieをほぼ完全にブロック
  • トラッキング目的のJavaScriptも制限
  • ファーストパーティCookieの寿命も短縮される場合あり

つまり Safari の設計自体が
「Cookie同意が必要な時代」へ強制的に進めている と言えます。


6. SameSite 属性の強制とセキュリティ強化

Chrome では、Cookie のデフォルト仕様が大きく変わりました。

SameSite=Lax がデフォルトに

  • SameSite=None; Secure を明示しない限りサードパーティCookieは送れない
  • 以前より「追跡目的のCookie」を作りにくくなった

これにより、Cookieを利用する外部サービスは
同意と説明が必須 になりました。


7. 結論:同意バナーは「技術 × 法律 × プライバシー」の交点にある

Cookie同意バナーが必要になった背景をまとめると:

  • 広告・解析用のサードパーティCookieが問題視された
  • GDPRで明確な同意が義務化
  • ePrivacyでCookie保存ルールが強化
  • Safari ITP と Chrome の SameSite 変更で技術的にも追跡が困難に
  • ウェブ全体が「同意管理」を必須とする方向へシフト

つまり、今の同意バナーは
「技術の進化が暴走した結果、法律とブラウザがブレーキを踏んだ」
という構図で生まれています。


今後どうなる?

世界的にサードパーティCookie廃止が進んでいるため、
数年以内に「今のような同意バナー」は減る可能性があります。

その代わり、
ブラウザ主導のプライバシーAPI(例:Topics API)に移行する流れが加速しています。

Cookie同意バナーは「現代の移行期間を象徴する仕組み」だと言えるでしょう。

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